雨、あめ

『雨、あめ』（ピーター・スピアー　評論社）




～あめあめふれふれ楽しいぞ～

　きょうの空模様、まさに梅雨、である。

　大人はうっとうしいこの季節、子供は別の生き物と化している。

　水たまりにすすんで入っていくし、ぬれるのもかまわず傘を振り回してあそ
ぶ。

　わざと靴に水をいれてぐちゃぐちゃしたりする。

　そういえばアタシも傘をいっぱいだしてきておままごとしてた想い出が。

　あめのひは遊びのチャンスがいっぱいなのだ。

　そんな遊び心で楽しめるこの一冊。

　表紙の扉をめくると姉と弟が外で仲良く遊んでいる。

　その向こうに怪しげな真っ黒い雲が。

　いきなり激しい雨が降ってきた。

　ところがここからがオモシロイ。

　二人はやったとばかりすぐにカッパに長靴、外にでかける支度をし、お母さ
んは傘をさして行ってらっしゃいモードだ。

　で二人は雨の中、様々な遊びをみつける。

　ホースで水をかけあったり。

　流れる雨水をせき止めるのも楽しい。

　おおきな水たまりにできるわっかがいっぱい。

　雨粒がいっぱいついた蜘蛛の巣がキラキラ。

　池のアヒルも楽しそうである。

　もちろん水たまりですってんころりん、も。

　家へ帰ってお風呂に入り、夕食をたべて幸せな眠りにつく二人。

　実はまったく本文の字がない絵本なのだが、かえって想像力がたくましく働
いてしまう。

　読み聞かせ、というよりいっしょにながめてたのしむ絵本。（もちろん、お
話してたら、こどもの反応が楽しめてそれもうれしい）

　雨の日を楽しめるこんな絵本が本棚に一冊あってもいいかも。

　字のないこの本が楽しかったら季節はちょっとはやいけど、

『クリスマスだいすき』（ピーター・スピアー　講談社）

　もおすすめです。