もりのへなそうる

『もりのへなそうる』(わたなべ しげお:作 やまわき ゆりこ:絵 福音館書店)


 

「てつたくんは、五さいで ようちえんに いっています」

「みつやくんは、三さいで ようちえんに いっていません」

 ロングセラーの児童書は、この2行の文章から始まります。

 子供の頃から何度も読んでもらい、自分で読める歳になると、

自分でも何度
も読み返し、年下の子供に読んであげた記憶があります。

 とまあ、普通の書評を書いてしまっては、「異色の絵本マガジン」にならな
いので、何かしら変わった視点からこの本を見ていきたいと思います。

 対象年齢が4歳~ となってはいますが、自分で読むならもう少し上の年齢
からじゃないと難しいかもな、というボリューム。

 あくまでも児童書ですから、挿絵はあるものの、活字メインで、150頁以
上。

 読書をするためのスタミナが、それなりには必要な量です。

 これだけの文章量の児童書の書評を書くわけですから、何かしらポイントを
絞って書かなければなりません。

 何に絞るかですが・・・やっぱり、食べ物ですね。はい。

 基本的に、お弁当とおやつになりますけど。

 他にも何かあるやろ? といったツッコミは承知の上ですが、別に、




「へなそうる」って恐竜っぽい




 とか




「たまご」を「たがも」って言ってる




 とか




「蚊に刺された」を「かににさされた」って言ってる




 とか、脱線するポイントはたくさんあるんですが、元の話題に戻す自信が無
いので、食べ物でいきましょう。

 でも、「たがも」は食べ物ネタですから、これは使います。

「たがも」に関しては、子供の頃、この本を読んでくれた親が、その延長で、
「たがも食べる?」「たがも掛ける?」「たがも茹でる?」的なネタを連発し
ていたので、個人的には、いまだに使う事があります。

 たがもかけごはん。

 たがもやき。

 ま、たまにね。本当にたまに。

 さて、本題に戻りましょう。

 てつたくんと、みつやくんの最初の冒険では、お母さんが「いちごを とん
とんと うすくきって、それに、はちみつを とろとろっとかけたのを、パン
にはさんで、さんどいっちを つくってくれました」。

 イチゴとハチミツのサンドイッチですね。甘そうです。でも、美味しそう。

 この「おべんと」を持って「たんけん」に行く事になります。あ、冒険じゃ
なくて探検だったのね。

 もう、「しょっぴる」を持って行く件(くだり)とかは、割愛しますね。決
して軽視しているわけではありません。あくまでも「割愛」です。

 さて、2回目の冒険・・・いや、「たんけん」です。

 お母さんが「たらこを やいて、それをほぐして、ごはんに まぜて、きゅ
っきゅっきゅっと にぎって、ちいさな おにぎりを つくりました」

「ママ、のりも まいてよ」と、てつたくんはいいました。

「てつたくんと みつやくんは、おにぎりを 三つずつ つくってもらいまし
た」

 回りくどいですが、要するに、




 たらこおにぎり × 3個 × 2人分




 という理解で間違いなさそうです。

 次は、「おべんと」は出てきません。「チューインガム」だけです。

 へなそうる的には、「チューイン“マグ”」らしいですが。

 どんなカップやねん。

 はい、次。

 何故か、いきなり「ドーナツ」が登場します。お母さんが作ったのかどうか
は、謎です。

 そして、残念な事に、食べ物の登場シーンは、これで最後になります。

 さて、いかがだったでしょう。(いいのかこれで?)

 この本を読む際は、終盤で登場する、




「ああ、はやく パパ たべたいなあ!」




 この、へなそうる の名言が、何故、生まれたのか?

 是非とも、謎を解き明かしてもらいたいと思います。
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